
SHIN-ETSU SUBELYN®
フッ素系防汚添加剤
KY-1200シリーズ
KY-1200シリーズは、紫外線・電子線硬化可能な含フッ素UV硬化型化合物です。既存の紫外線・電子線硬化型材料に少量添加することで、優れた表面性能を付与することができます。
KY-1200シリーズの主な特長
- 防汚性
- 表面に滑らかなフッ素の皮膜を形成し、汚れが付着するのを防ぎます。
- 指紋の拭き取り性
- 通常ではなかなか落ちない指紋も、さっと拭き取れます。
- 撥水・撥油性
- 水や油の付着を防ぎ、基材の美しさを保ちます。
- 滑り性
- 優れた滑り性で、汚れを拭き取りやすくするだけでなく、表面を傷から守ります。
- 耐擦傷性
- 基材表面を傷から守ります。
- 低屈折
- 含有率を高めると、屈折率の低いコーティング層が形成できます。
LR材としても使用可能です。
防汚添加剤の作用機構
コーティングの効果を油性インクで実証
一般特性
アクリルハードコート用
製品ラインナップ
項目 | KY-1203 | X-71-1203E | KY-1211 | KY-1207 |
---|---|---|---|---|
特長 | 標準品、 高撥水、 低動摩擦係数 |
MIBK 不使用、 高撥水撥油 |
相溶性向上 | 防汚性向上、 磨耗耐久向上 |
外観・ 性状 |
透明~淡黄色 | 透明~淡黄色 | 透明~淡黄色 | 透明~淡黄色 |
粘度 25ºC |
1.2mm2/s | 0.9mm2/s | 1.0mm2/s | 0.9mm2/s |
比重 25ºC |
0.88 | 0.89 | 0.88 | 0.89 |
有効 成分 濃度 |
20wt% | 20wt% | 20wt% | 20wt% |
溶剤 | MEK、MIBK | MEK | MEK | MEK |
(規格値ではありません) |
ハードコート表面特性
項目 | 未添加 | KY-1203 | X-71-1203E | KY-1211 | KY-1207 |
---|---|---|---|---|---|
水接触角 | 59° | 114° | 114° | 110° | 111° |
オレイン酸 接触角 |
22° | 73° | 73° | 70° | 73° |
オレイン酸 転落角 |
測定 不能 |
3° | 3° | 4° | 3° |
動摩擦係数 | 0.60 | 0.10 | 0.10 | 0.12 | 0.09 |
(規格値ではありません) |
配合および塗工例(固形分比1wt%添加) ※KY-1203の場合
- ハードコート剤:
- ダイセルサイテック社製 EBECRYL 40 ・・・・100質量部
- 希釈剤 :
- 2-プロパノール ・・・・・・・・・・・・・ 142質量部
- 開始剤 :
- BASFジャパン製 イルガキュアー184 ・・・ 3質量部
- 添加剤 :
- KY-1203 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5質量部
- 基材 :
- ポリカーボネート板
- 塗布条件 :
- スピンコート 500rpm(10sec) + 3,000rpm(20sec)
- 予備乾燥 :
- 80ºC X 1min
- 硬化装置 :
- コンベア式メタルハライドランプUV照射装置
- 照射条件 :
-
窒素雰囲気中、ランプ出力80W/cm、積算光量 1,600mJ/cm2
ご使用上の注意事項
- ハードコート剤、希釈剤の種類あるいは配合比により、濁りが発生する場合があります。
- 本品の添加により、ハードコート剤の硬化性に影響を与える場合があります。
硬化が不十分な場合には、適宜硬化条件を調整してください。 - KY-1200シリーズの添加効果は、同一組成でも硬化雰囲気の影響を受ける場合があります。
性能を十分に引き出すためには、不活性ガス雰囲気下でのUV照射をお勧めします。 - KY-1200シリーズは、ケトン系、エーテル系、エステル系、フッ素系の溶媒には比較的溶解しやすく、炭化水素系、アルコール系の溶媒には難溶な傾向にあります。
- 溶解性および安定性は、同一化合物群からなる組成物でも組成比によって変化する場合があります。
ご使用になられる条件での試験をお願いします。
エポキシハードコート用
製品ラインナップ
項目 | KY-1271 |
---|---|
外観・性状 | 透明~淡黄色 |
粘度 25ºC | 0.8mm2/s |
比重 25ºC | 0.88 |
有効成分濃度 | 20wt% |
溶剤 | MEK |
(規格値ではありません) |
ハードコート表面特性
項目 | 未添加 | KY-1271 |
---|---|---|
水接触角 | 76° | 110° |
オレイン酸接触角 | 28° | 70° |
オレイン酸転落角 | 測定不能 | 3° |
油性マジックはじき | × | 〇 |
*UV照射30分後に測定 | (規格値ではありません) |
配合および塗工例(固形分比1wt%添加)
- ハードコート剤:
- 新日鉄住金化学社製 ZX-1059 ・・・・100質量部
- 希釈剤 :
- 酢酸ブチル ・・・・・・・・・・・・ 145質量部
- 開始剤 :
- サンアプロ社製 CPI-210S ・・・・・・ 0.5質量部
- 添加剤 :
- KY-1271 ・・・・・・・・・・・・・ 5質量部
- 基材 :
- ポリカーボネート板
- 塗布条件 :
- スピンコート 500rpm(10sec) + 3,000rpm(20sec)
- 予備乾燥 :
- 80ºC X 1min
- 硬化装置 :
- コンベア式メタルハライドランプUV照射装置
- 照射条件 :
-
窒素雰囲気中、ランプ出力80W/cm、積算光量 3,200mJ/cm2
ご使用上の注意事項
- ハードコート剤、希釈剤の種類あるいは配合比により、濁りが発生する場合があります。
- 本品の添加により、ハードコート剤の硬化性に影響を与える場合があります。
- 光カチオン硬化は光ラジカル硬化に比べて反応速度が遅いため、 KY-1271はアクリルハードコート向けの製品と比較して、組成・硬化条件により、 添加効果の発現に時間がかかる場合があります。
- 十分な添加効果を得るには、塗膜表面の硬化反応をできるだけ促進させることが重要です。硬化雰囲気、開始剤量、積算光量など、適宜条件をご検討ください。
使用方法
主な用途
紫外線・電子線による硬化が可能な各種組成物に、少量添加することで表面にフッ素含有基の層を形成し防汚、撥水、撥油、指紋拭き取り性、滑り性などを付与します。
- ハードコートフィルム
- 反射防止フィルム
- ディスプレイ
- タッチパネル
- 電子機器筐体
- 加飾フィルム
取扱い上のご注意
保管について
- 冷暗所に保管してください。
安全衛生について
- 皮膚や粘膜に付着しないように、ゴム手袋・ゴーグルなどの保護具を着用してください。
- 皮膚に付着した場合は乾いた布で拭き取り石けん水でよく洗ってください。
- 目に入った場合は流水で15分間以上洗浄し、医師の診断を受けてください。
- 通常の使用に際しては実質的に無害ですが、本製品に含まれているフッ素化合物は、高温で熱分解を起こし、フッ化水素を含む毒性ガスを発生する恐れがあります。
- 本製品の付着したタバコを吸うと分解ガスを吸入する恐れがありますので、作業場での喫煙は避け、作業の後は手や顔を洗うなどして本製品がタバコに付着しないように注意してください。
- ご使用の前に必ず製品安全データシート(MSDS)をご覧ください。
その他について
- 記載のデータは、規格値ではありません。また、記載内容は仕様変更などのため、断りなく変更することがあります。
- ご使用に際しては、必ず貴社にて事前にテストを行い、使用目的に適合するかどうかご確認ください。また、ここで紹介する用途はいかなる特許に対しても抵触しないことを保証するものではありません。
- 本製品は、一般工業用途向けに開発されたものです。医療用その他特殊な用途へのご使用に際しては貴社にて事前にテストを行い、当該用途に使用することの安全性をご確認の上、ご使用ください。なお、医療用インプラント用には絶対に使用しないでください。
- 本製品の輸出入に関する法的責任は全てお客さまにございます。各国の輸出入に関する規定を事前に調査することをお勧めいたします。
- 本ホームページに記載されている内容を転載されるときは、当社新規製品事業部までご連絡ください。(03-3246-5345)
- 本製品は、受注生産品です。詳細につきましては当社までお問い合わせください。